関東人が驚く?!「大阪の文化・ルール」【鉄道編】

 関東地方に住んでいてその土地柄や風土、交通ルールなどに慣れていると、仕事や観光などで大阪へ出向いたときに、文化の違い、言葉、表現などに驚くことがあります。狭い日本といえど、関東と関西ではこんなに違うのかと面食らう場面が多々あるでしょう。

その中でも違いをひときわ感じるものとして鉄道があります。「私鉄王国」とも呼ばれる関西の鉄道には関西ならではの独特の文化やルールが存在します。
例えば東京は大阪と同じような大都市ですので、大都市ならではの暗黙のルールを同じように大阪ですると白い目で見られてしまうことも。そんなことにならないためにも、事前に大阪ならではの鉄道ルールを知識として頭に入れておくことが重要なのです。

関東人が知っておいたほうが良い大阪ならではの鉄道文化とルールをご紹介していきます。

※各掲載情報は2022年6月時点のものです。

駅のエスカレーターの乗り方

まずは基本編として、大阪では関東人が乗るエスカレーターの乗り方が通用しません。大阪でのエスカレーターの乗り方のルールを見ていきましょう。

エスカレーターに乗ったら左側を空ける

エスカレーターの乗り方についてはご存知の方も多いと思いますが、関西ではエスカレーターに乗ったら歩いて行く人のために左側を空けるのが暗黙のルール。関東では右側を空けて乗りますが、こんな簡単な違いさえ実際に体験してみると慣れるまで戸惑ってしまいますし少々違和感もあるはずです。

ちなみに当然のことながらこれは鉄道だけの話ではなく、デパートなどの商業施設でもあてはまりますのでご注意ください。

ちなみにこの左空けルールは大阪ならではということでもないようです。世界では実は右に立って左を空ける人が多いとか。香港、イギリス、カナダなどでも同じです。つまりエスカレーターの乗り方に関して、東京が世界視点で見るとスタンダードというわけではないのがわかります。

女性車両の位置と利用時間

関東と大阪での女性車両では大きな違いがあります。関東の男性の方が大阪へ出向いた際は特に注意するように心がけましょう。

女性専用車両の位置

新大阪駅にたどり着くと、新幹線から地下鉄の御堂筋線に乗り換える方が多いと思います。その際に注意してもらいたいのが女性専用車両の位置です。関東地方の鉄道では、多くの路線で女性専用車両は編成の端に位置しています。しかし御堂筋線は、10両編成の中のほぼ真ん中である6号車が女性専用車なのです。大阪は東京と違い、女性にとっては乗りやすい位置に車両があるので便利だと言えるかもしれません。

新幹線から乗換えるときにちょうど5〜7号車両に乗りやすくつい乗ってしまいそうになるので、男性は注意しましょう。何も意識せずにふらっと乗り込んだ車内で周りを見たら女性だけ、という気まずい状況にならないようにしてくださいね。

女性専用車両の利用時間帯

女性専用車両は大阪と関東で位置が異なりますが、さらに時間帯も違うので要注意。関東での利用時間帯は朝のラッシュ時のみですが、大阪の地下鉄御堂筋線の女性専用車は平日は終日利用できるのです。女性専用車に関しては総じて関東よりも関西のほうが女性に優しい配置と時間帯といえるでしょう。

女性であれば気にしなくても良い話ですが、男性は車両の位置と時間帯をきちんと把握しながら列車を利用してくださいね。

複雑でわかりづらい乗り換え 

関東であれば当然のことながら、私鉄もJRも同じ駅名であれば乗り換えがスムーズにできることが多いのですが、いざ大阪へ行くと驚きの事実が待ち構えています。

同じ駅名なのに素直に乗り換えられない

鉄道の乗り換えをするときは路線が異なっても同じ駅名になっていれば、普通にスムーズに乗り換えられると思うのが当たり前。しかし関西では事情が異なります。昔からJRと私鉄各線が競合関係にあった関西では普通の距離感で乗り換えることができないところがあるのです。

大阪でいうとJR難波駅、なんば駅、大阪難波駅。
JRは漢字の表記で頭に「JR」が付き、阪神・近鉄は「大阪」が頭に。南海と地下鉄はひらがなの表記、というのがまずとてもわかりづらいですよね。
さらに地下鉄、阪神、南海、近鉄はいずれも非常に至近距離に位置しているのですぐ乗り換えられるのですが、JR難波駅だけは西に離れていて乗り換えづらいのです。
乗り換え時間は余裕を持っておきましょう。

違う駅名なのに乗換駅

有名なのは梅田駅と大阪駅。大阪という駅はそもそもJRしか乗り入れておらず、阪急、阪神、地下鉄も全部梅田駅で乗換案内もきちんとなされているので戸惑う人はそういないでしょう。

ところが天王寺駅はとても厄介。JRの駅ですが隣接地に、あべのハルカスでお馴染みの近鉄南大阪線ターミナルとなっている大阪阿倍野駅があり、関西在住の人でないとわかりづらく戸惑います。

東京でも東京駅と大手町のように駅が違っていても乗り換え可能なところはありますが、大阪のように極端に違うと慣れるまで時間がかかりますね。

一周しようとしたら全く別の駅へ

東京のまあるい緑の山手線のような環状線。そんな環状線が大阪にもあるのですが、常に一周できると思ったら大間違いなのです。

山手線とは違う!大阪の環状線は丸くないの?

東京の山手線はほとんどの列車が環状運転をしていますが、大阪のJR大阪環状線は違います。もちろん、環状線の名の通り一部の列車は一周する運転がされていますが、関西本線直通、阪和線直通、桜島線直通の列車も乗り入れていて、さらには関西国際空港へ向かう特急列車もあるという状況。いろいろな列車が行き交っている路線なのです。

山手線のようにいつ乗っても一周してくれるノリで乗ってしまうと痛い目に合うのでご注意くださいね。

特別料金なしで大丈夫な特急とそうでない特急

JRの特急を利用するには特急料金が必要なのは周知の事実。ただ私鉄の特急は、料金が必要なものとそうでないものがあるので要注意です。関西や関東に限りませんが特に関西は複雑なのでまとめてみましょう。

特急料金のある路線

①近鉄:乗車する区間に応じて必要

②南海:高野線直通の「こうや」「りんかん」、空港線直通の「ラピート」、泉北高速鉄道直通の「泉北ライナー」は必要。(全車座席指定制)

特急料金がない路線

阪急:神戸線、宝塚線は一般車両のロングシート。京都線はセミクロスシートが基本の車両。

京阪:セミクロスシートの車両で、主に特急型車両である8000系を使用。

南海:指定席だと別途指定席料金が発生するが、特急サザンは料金不要で自由席のロングシート車がある。

阪神:セミクロスシート車を一部で使用

 

これらの特急事情を把握すれば、快適に関西の移動ができるでしょう。特に京阪に関してはかなりゴージャスな特急型車両にタダで乗れてしまうのでお得感があり、おすすめです。

路線名ではなく◯◯快速を使いこなそう

関西の人同士が話しているときによく耳に入ってくるのが「新快速」という言葉。山陽本線、東海道を走っている停車駅の少ない列車のことを指すのですが、これが結構わかりにくいのです。

新快速とは

新快速は、最長で北陸本線の福井県敦賀駅~赤穂線の兵庫県播州赤穂駅までを走っています。
路線名は東海道本線、北陸本線、山陽本線、赤穂線。
関西地域ではさらに路線愛称として、京都〜大阪間を「JR京都線」、大阪〜姫路間を「JR神戸線」、長浜〜京都間を「琵琶湖線」と呼んでいて、これら全てを「新快速」が走っていくのです。

◯◯快速 使用例

例として三ノ宮から高槻駅まで利用する場合「京都線とJR神戸線に乗って」とは言わず、「新快速に乗って」と言うのです。
新快速のほかに快速電車も走っているのですが、この二つでは停車する駅数がまったく違い、目的地が新快速停車駅だと到着時間にかなり差が出てしまうため、「新快速」という言葉は、列車の種別ではなく路線名のように使用されているといえます。

いろいろな◯◯快速 

「新快速」に関しては上記の区間のみを走っていますが、その他にも大和路や丹波路の後ろに「快速」をつけるなど、さまざまな路線を直通する列車に◯◯快速というネーミングがつけられています。これらをできれば全て覚えて使いこなすことができれば、関西の鉄道をスムーズに乗りこなせるでしょう。

乗車駅と降車駅さえ合っていればOK?

普通鉄道会社では多くの場合折返し乗車を認めていません。しかし大阪ではOKとされている鉄道があるようなのです。

折返し乗車が正式なルールとして認められている?

折返し乗車はお酒を飲みすぎて寝過ごしてしまったなどという過失による場合などは見逃してくれることもありますが、規則上はNG。駅員さんに注意を受けた場合は乗った区間分の運賃をきちんと支払わなければなりません。

しかし大阪市営地下鉄ではこれがルール上でも許されるというから驚きです。そんなことがあるなんて本当?と思う方もいるでしょうが、大阪市交通局の案内センターからの回答によると「折返し乗車をしても構いません。乗車駅と降車駅が間違っていなければ、どんな経路でもOK。」とのこと。

ここまで言っても信じがたいと思われるでしょうが、大阪市の高速鉄道と中量軌道乗車料の条例施行規程の中にある第54条を根拠として、折返し乗車が正式に認められているのです。規定に明記されていると言われると、何も反論できないのが正直なところですが、なにかモヤモヤした気持ちになってしまうのも事実です。

乗車する人のモラルが問われている

しかしながら正式なルールで決まっているからといって折り返し乗車がまかり通ってしまっていることに、利用者からのクレームも少なくないのは想像できます。

ルールで決まっていると回答してくれた担当者の方からは、「規定上OKとされている以上は折返し乗車を止めるように注意することはできませんし、これ以上はお客様のマナーの問題としか・・・」という回答も。ルールと現実の板挟みで苦慮している様子がうかがえます。

とても難しい問題ではありますが、通常認識として折返し運転がどう扱われているのか、自分自身はこのルールをどう思うか、いろいろな視点から考えてみてモラルを持った利用を心がけたいところです。

ICカードの残額が1円でもあれば入場可能

改札機にICカードをかざしたときに残高が初乗り運賃相当ないとピンポーン!という音と共にゲートが閉まる、というのは関東のお話。しかし、関西ではICカードに1円でも残っていればとりあえず入場できてしまいます。

これは各社が決めた約款によるもので、首都圏の場合、初乗り運賃相当の残高がないカードはきっぷとみなしません。対して関西ではカードに1円でもあればきっぷとみなしてくれるのです。ですので、関西の人は入場時に改札機に出た残高が少ないとじゃあ出場時にチャージをしよう、と考えるわけです。

あのピンポーン!と同時にはじき出される感覚がないのはちょっと羨ましいですね。

まとめ

大阪の鉄道は東京のように複雑に入り組んだ構造ではないのですが、関東から訪れた人にとってはルールの面で戸惑うポイントが多いことがわかります。同じ国なのに違う国のような、ちょっと不思議な感覚を味わうことになります。地域の特製や発展によって東西の鉄道文化にいろいろな違いが生まれたのかもしれません。

大阪を訪れてなるべくそれらで失敗したくなければ事前に知識として鉄道ルールを頭に入れておくのがおすすめ。他にも阪急などでは1番線、2番線と言わずに1号線、2号線と言うとか、私鉄だと「◯◯電車」と案内されたなど、本当にちょっとした違いでも意外と戸惑ってしまうことが多いのです。

関東人には驚きの関西鉄道ルール。でも、それは関西人には関東の鉄道ルールが驚き戸惑うことであるということです。お互いの文化を尊重し受け入れながら、その違いを楽しめれば良いですね。

大阪へ行った際に鉄道を利用するときは、スマホを片手に調べ物などをしながらついうっかりエスカレーターの左側を陣取ったりしないように注意してください。

マチしる編集部3号

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